同窓会は5月でしたが、少し汗ばむような陽気の日でした。
夫が単身赴任中のこともあり、少しくらいなら遅くなってもいいか……と、開放的な気分になっていました。
会場のレストランは、懐かしい顔や、誰かわからないな、と思うような様々な人達であふれかえって居ました。
私は、昔の友達と話に花を咲かせながらも、こっそりと視線だけでSくんを探していました。
しばらくして、ガラの悪そうな集団の中に、Sくんを見つけました。
肩までの長めの髪、派手なロゴの入った黒いTシャツ、ジーンズに膝下丈のブーツという出で立ちが、スーツ姿が多い男性の中で、かなり目立っていました。
高校の時よりもさらに大きく、顔つきも男らしくなったSくんを見て、心臓が跳ねるような感覚を覚えました。
KちゃんもSくんを見つけたようで、「Sく~ん!」と手を振ったりしていました。
Sくんも嬉しそうに手を振り替えしたりしていました。
そして、Sくんと目が合いました。
「お前、桃花(ももか)か?」
Sくんが、私に近づいてきました。
私はSくんに声をかけられたうれしさを悟られまいと、必死に冷静さを装いながら、小さく何回か頷きました。
「うわ~っ! こいつ、エロい!」
「えっ?!」
いきなりSくんにそう言われて驚きました。
「それにお前、ずいぶん化粧が上手くなったなー」
Sくんは私の隣に座ると、手に持っていた酒瓶に直接口をつけて、あおっていました。私は、そのお酒を飲み終わったら、Sくんがどこかに行ってしまうような気がして、すぐに新しいお酒を確保したりしていました。
Kちゃんは、やっぱり大人気で、他のグループに引っ張りだこになっています。しかし、私とSくんが気になるのか、たまにこちらをチラチラと見ていました。
Sくんと色々な話をしました。
「Sくんは、仕事は何してるの?」
「してない。何もしてない」
こともなげにそんなことを言うSくんに驚きました。
「あ、バンドやってるから、俺、ミュージシャン!」
Sくんは高笑いをして、ソファにふんぞり返りました。
変わらないSくんらしさを感じて、少し可愛いと思ったりしました。
Sくんは結婚はしていないが、彼女と長年一緒に住んでいると言っていました。私も結婚していること、夫は単身赴任であまり家に帰ってこないことなどを話しました。
間近で見るSくんは、身体にしっかりと筋肉がついていて、今までに知っているどの男性よりも、男らしさと、色気を感じる気がしました。Sくんのたくましい腕、魅力的な横顔を見ているだけで、心臓が高鳴りました。
(一生に一度だけでも、こんな男性に抱かれてみたい……)
そんなはしたないことを考えてしまった自分が恥ずかしくて、Sくんから顔をそむけて少しうつむきました。
「桃花お前……」
一瞬、考えていることがSくんにバレたのかと、ぴくん! と身体が跳ねました。しかし、そんなはずはないと平静を装い、Sくんへと向き直りました。Sくんは私の全身に、なめまわすような視線を這わせました。Sくんの視線で、全身をまさぐられているようです。身体の中心が熱くなり、じゅわっと濡れてきているのを感じました。
しかし、なんでもない風を装い、
「どうしたの?」
ととぼけてみると、Sくんは急に真剣な表情になって、小声でささやきました。
「トイレ行くから、ちょっとついてこい」

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